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ボクらのこころは な
作 いわお まゆみ


「ぶよ〜ん!」
「ぴちゃ!」
プールの水がはねると、金魚も跳ねる。
ミヨちゃんが水しぶきを上げるたびに、ケイコさんは飛びのいた。
服がぬれたら困るからかな。
でも、ボクは平気のへっちゃらだ。
ボクとミヨちゃんは頭から水をかぶって、はしゃいだ。
「えいっ!」
「バシャン!」
ミヨちゃんが水面を思いっきり叩く。
すると金魚は波打った水面をすべり、ジャンプして空高く飛んじゃった。
青空を泳ぐ金魚をボクもミヨちゃんも立ち上がって見上げた。
「あ〜、こっちへ降ってくるぅ〜」
フレアスカートを両手で広げ、顔をお日さまに向けたまま、右に、左に、ミヨちゃんは動く。
ポトリ…と金魚はミヨちゃんのスカートの中に落ちた。
ナイスキャッチ♪♪
「わ〜、つれた、つれた! ママ、釣れた!」
ミヨちゃんの声にお母さんもうれしそう。
「良かったね、ミヨちゃん。すごいじゃない?」