人生によく効く笑いのクスリ〜百字ネタ笑剤薬局 本文へジャンプ

2013年 6月度 アナタ出版 出版決定作品

「人生によく効く笑いのクスリ〜百字ネタ笑剤薬局」
                著 寒来 光一


isbn978-4-903847-47-4    \1,260円(税込)



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 笑う門には福来る

1 「そんなアホな!」とツッコミながら笑えるクスリ


【図書館】
図書館で、大きな着メロが鳴り響いた。
館内での携帯電話は、もちろん使用禁止である。
男があわてて席を立ち、廊下に出ると大きな声でこう答えた。
「もしもーし。今、図書館にいるから大きな声でしゃべれないんだ!」

【指名手配】
交番に張ってある指名手配の写真を見て、男がつぶやいた。
「ん? この顔、見たことあるわ」
「ホンマですか! どこで見たか思い出してください」
「あっ! 思い出した」
「どこですか?」
「別の交番のポスターを見たんや」

【スタントマン】
「カット!」
男が崖の上から突き落とされるシーンがNGになった。
被害者役のスタントマンは、かつて高飛び込みの選手。
そこで、昔の癖が出てうっかり「後ろ宙返り二回半抱え型」という難度の高い技を披露してしまったのだった。

【タクシー】
「空港まで大急ぎで飛ばしてくれ。チップははずむから」
「すみませんが、どれぐらいのチップをいただけるんでしょうか?」
「どうしてそんなことを聞くんだ?」
「それによって、アクセルを踏む力が違ってくるんです」

【順番】
「今度のコンサートのプログラム、この線でいきたいと思うんですけど」
「ん? これはダメでしょ」
「いったいどこがまずいんですか?」
「子守唄を前半に持ってきたら、みんないい気持ちになって寝てしまうじゃないの」

【PR】
「市も制作に協力してるんですから、観光をもっとPRしてくださいよ」
市の担当者が言うと、監督は誘拐犯のセリフにこう書き加えた。
「神経痛、肩こり、痔に効能のある遊楽温泉の観光案内所前に二千万円持ってこい」

【舞台俳優】
「舞台でセリフを忘れてしまった時にはどうするんですか?」
「『あっ、だれか私を呼んでいるみたいだ』と言って舞台袖に引っ込み、セリフを確認してから、『あ、ごめん。勘違いだった』と言いながら出てくるんです」 

【道案内】
「原町三丁目の喫茶『カランコロン』には、どう行けばいいでしょうか?」
「そこの角を右に曲がって、三百メートルほど行った信号を左に曲がる……」
「ええ」
「すると左に交番が見えますから、そこで聞いてください」

【くしゃみ】
くしゃみの音を聞いて、風邪か花粉症なのかを見分ける方法がある。
「ハッ、ハッ、ハックショーン!」
これは風邪のくしゃみだ。
それに対し、花粉症の場合はこうである。
「ハッ、ハッ、カフンショー(・・・・・・)ン!」

【スピード違反】
「時速五十キロオーバーだなんて、無茶苦茶じゃないか。『制限速度を守って安全運転』と書かれた看板があったのに、見えなかったのかね?」
「ええ、あんまりスピードを出しすぎていたもんでよく見えなかったんです」

【ポイントカード】
「ポイントカードをお作りになりませんか? お買い上げ百円につき二ポイント差し上げますよ」
「おっ、ほかの店の倍ももらえるんやな」
「ただし、買い物の時には二ポイントで一円の計算となります」
「意味ないやろ!」

【夢】
「ぼく、大きくなったら宇宙飛行士になりたいな」
「それなら、一流大学に行って外国語や天文学をたくさん勉強して、厳しい訓練をして体力を鍛えて……」
「やっぱりやめとく」
「全く今の子ときたら夢がないんだから」