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著 こいで みほ


おかあさんは やさしく マリリンを見つめて 言いました。

「愛は 小さな お花のタネのような ものなのよ」
「ほら! お花が 水を ほしがるように
みんなの 心のなかでも 愛のタネが 何かを ほしがっているの。
だから、きっと こう言っているのよ。
あいしているって わたしに いって!≠チてね」

「あいしている≠チて 言葉を 聞くと
何だか 力が わいてきて
とっても 強くなれるのよ。
そして いつも 幸せで
やさしい 気持ちに なるの」

「だからね、声に出して 言ってみて!
あいしているよ≠チて
愛する 気持ちを いっぱい こめて…
すると、愛のタネは よろこびで いっぱいに ふくらんで
やがて 愛のメが 出るのよ」

マリリンは、いつの間にか 目をとじて、やさしく かなでる
おかあさんの声に じっと 耳を かたむけていました。