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著 中村 千恵子



僕と仲良しだったダイキが、転校することになりました。
2年生には、妹のゆかちゃんがいます。
ダイキとゆかちゃんは、おばあちゃんと住んでいます。
なぜかというと、ダイキのお父さんが病気で亡くなったからです。
ダイキの母さんは、おばあちゃんの家にダイキとゆかちゃんをあずけて
会社の寮に 住んで働いています。
働いてお金がたくさん貯まったら、またダイキとゆかちゃんと
いっしょに住むと言って、がんばりました。
やっと家族いっしょに暮らせるようになったので、
会社の近くに引っ越すのです。

いよいよダイキが 転校する日がやってきました。
僕とダイキは、
「転校しても、ずっと友達だぞ」
と約束をして 指切りをしました。
「お別れ会のあいさつは、ダイキ君といちばんの仲良しだった
光太君がしてください」
と、南先生に言われたので 僕がお別れの手紙を読むことになりました。
  

ダイキとのお別れ会の日…
クラスから記念のプレゼントを、僕が代表で渡しました。
ダイキは、
「今までみんなと仲良く遊んだり、勉強をしたりして楽しかったです。
今度の学校へ行っても、このクラスのみんあのことはぜったいに忘れません。
今まで仲良くしてくれてありがとうございました。みんな、一生けんめい勉強を
してください。僕もみんなに負けないように、新しい学校で勉強にスポーツに
頑張ります」
とあいさつの言葉を言いました。
ダイキは目をまっ赤にしながら、涙をボロボロこぼして泣いていました。