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新刊のご案内
立ち読みコーナー
どの作品もまだ発売前ですが、ご予約を受け付けますので面白いと思われた作品をご注文下さい。どの作品も半年から一年掛けて刊行目前の作品たちです。作者の想いが少しでも伝われば素敵ですね。



ガーリック博士のおみやげ話

かがい みえこ 作
こいで みほ  絵


isbn-978-4-903847-27-6
\1,260円


 イシラズメ
 ジャングルは、緑の葉をうっそうと茂らせた木々が絡み合うように生い茂っていて、薄暗かった草や花のにおいがたちこめていて、極彩色の虫たちもチョロチョロと顔を出してくる。極彩色のヘビだけは会いたくないので、わしは足下や頭の上にじゅうぶん注意をはらって、ジャングルに踏み入っていったのさ。
「進め、進め、探検隊!」
 心の中で叫びながら、勇気をふりしぼって行ったのさ。なにせ一人ぼっちの探検隊だからねぇ、ほんとは心細いんだよ・・・
 そんな時、だれかがわしの後についてきている気配を感じていたんだ。きっとコショウ族だろう。
 この暗いジャングルの中で、やっぱりわしを襲うつもりか? わしは、手近にあった棒をにぎりしめて振り返ると、そこには、さっきのコショウ族の小さな男の子がいたんだ!
「イシラズメ・・・」
 目が合うと、その子は白い歯をニッとさせてまたつぶやいた。
「イシラズメ」
 えーっと、何だ? イシラズメ。ああそうだった、そうだった。めずらしい、だった。
「イシラズメ? 」
そう問い直すと、男の子はわしを指さしてまた言うんだ。
「イシラズメ!」







くくり狐

中村千恵子  作
伊藤晴美   絵


isbn-978-4-903847-28-3
\1,260円

 それはこんな話でした。
 夕暮れ時、加代が一人で山道を歩いていると、ガサガサと草が揺れる音がして、何年も前に死んだはずの加代のおばあちゃんが、目の前にピョンと飛び出てきたそうです。
 加代は死んだおばあちゃんが急に目の前に現れたのでとっても驚きました。
 それはもう、胸がバクバクして、心臓が破裂しそうで、目が飛び出しそうで、腰が抜けそうなくらいでした。
 死んだはずのおばあちゃんが、加代をジッと見つめているのです。
 加代は怖くなって、慌てて逃げ出しました。
 山の木々がガザガザ・・・ワサワサ・・・と大きな音を立てて、加代を後ろから追いかけてきました。
 加代は木々が揺れる音を、死んだはずのおばあちゃんが追いかけて来ている音だと思い、顔を真っ青にして死に物狂いで山道を走りました。
 その時、加代はあまりにも慌てて走ったのでズデーンと転び、足を怪我してしまいました。
(おばあちゃんは、まだ追いかけてきているのだろうか?)
 恐る恐る加代が後ろを振り向くと、そこにいたのは・・・死んだおばあちゃんではなく、キツネの姿に戻った(くくりキツネ)でした。
 そうして(くくりキツネ)は加代を見ると、
「アハハハハ、アハハ。まんまとだまされた。あぁ〜おもしろい。加代は間抜けだ、村一番のたわけものだぁ」



グラシアスの魔法使い
〜解き放たれた魔法〜


著 金野仁美


isbn-978-4-903847-29-0
\1,260円

「そうだね、エコーズの森がどこにあるか書いてある本はないし、地図上にも存在しないね」
そう言って、アンディさんは引き出しから古びた地図を取り出して二人の前に広げると、真ん中の辺りを右手で指した。
「ここだよ、ここがエコーズの森だ」
アンディさんが地図を持っていることを知って、二人はびっくりした。
「何で、アンディさんは地図を持っているんですか!?エコーズの森が書かれている地図はないはずなのに…」
「これは、私の先祖が書き残したものなんだよ。エコーズの森は一般的には広められていないから、私も、他人にエコーズの森のことを話したりはしない。だけど、君たちはエコーズの森に行くのが、どうしても必要みたいだからね!」そう言って、アンディさんは片目をつぶってみせた。「ここからは大分離れているが、エダム川を使えば近道でいける。私が船を貸してあげるから、毎日それを使って通いなさい」
「ありがとうございます、アンディさん! …って、毎日!?
そんなにエコーズ草を取るのは難しいんですか? 一日とかじゃ無理なのかしら?」メルシーは飲んでいた紅茶のカップを思わず落としそうになりながら目を見開いた。
「エコーズはそう簡単には見つからない生物なんだ。だから、毎日森に通うことが、エコーズ草を早く取るための近道なんだよ」
「どうりで、ジャックが僕たちにお願いしたわけだ」
ギルバートが苦笑すると、メルシーも「そうね、そんな簡単に取れないって言っていたものね」と言って肩をすくめた。
「なに、毎日一日中行っている必要はないよ。君たちにもいろいろ都合があるだろうし、好きな時間に行って、好きな時間に帰ってくれば大丈夫だよ。それに、運がよければ、一,二日で取れるかもしれないしね」
アンディさんのアドバイスを聞いたギルバートとメルシーは、早速、次の日からエコーズの森に行ってみることにした。




オージーメイト〜オーストラリア出会い記〜

著 いわおまゆみ
絵 虹河琴女・加藤綾子・伊藤晴美


isbn-978-4-903847-30-6
\1,000円

23歳、夏の終わり。
初めての豪州滞在は、とりあえず、これで一旦終らせることにした。
あと数日で日本へ戻る。
チャイナタウンのパディスマーケットを覗いたあと、お昼ごはんを食べることにした。勿論! 向かった先は、いつもの場所だ。今では、このセルフも、日本でよく見かけるようになったが、当時は海外ならでは! のような気がしていた。ズラッと並ぶお店から、好きなものを注文し、呼ばれたら取りにいく。あとは、すべてセルフサービスだ。お昼時にはいつも、店の中はごったがえし、なかなか席が開かない。運よく四人用のテーブルが空き、そこへ運んで食べ始めた。
「スミマセンが。ここ、空いていますか?」
顔を上げると中国系の女性がトレイを持ったまま、困ったように立っていた。
「どうぞ!」
私は、目線を空いているイスに移した。
「ありがとう」
その女性は、安心したように笑顔で答えた。知らない人との合席なんて、日本人の私には、ちょっと緊張する体験だった。
一方、彼女は慣れているのか、全く私にはお構いなしの様子で、黙々と食べている。気まずいのは私だけ…みたい。
相手が日本人なら、一秒でも早く食べ終えて、その場を立ち去る事を考えただろうが、ここは何といってもシドニーだ。
私は思い切って話しかけてみた。

「あの・・・。貴方は何処出身? (Excuse me, but where are you originally from?)」
「香港出身だけど、私と夫は、もう数年ここに住んでいるのよ。貴方は日本人なの?(I am from Hong Kong, but my husband and I have been living here for a few years. Are you Japaneses?)」

ここから打ち解けるのは、早かった。



夢は想いから始まります

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